速効!問題解決5つの技術

日々の業務に効く!「どうすればいい?」を明確にする問題解決フレームワーク5選

Tags: 問題解決, フレームワーク, 業務改善, 若手向け, 実践ガイド, ロジックツリー, 特性要因図, なぜなぜ分析, SWOT分析, PDCAサイクル

漠然とした「困った」を具体的な「どうすればいい?」に変えるには

新しい業務やプロジェクトに取り組む中で、「この状況、どうにかしたいけど、具体的に何をしたらいいんだろう?」と悩んだ経験はありませんか。問題だと感じてはいるものの、何が本当の原因なのか、どんな選択肢があるのかが分からず、立ち止まってしまうことは少なくありません。

問題解決スキルは、このような状況を打開するために不可欠です。そして、その強力な助けとなるのが「フレームワーク」です。フレームワークとは、問題解決のプロセスにおいて思考や分析を進めるための型、いわば「思考のテンプレート」のようなものです。これを使うことで、複雑に絡み合った問題を整理し、論理的に解決策を見つけ出す道筋が見えてきます。

フレームワークを活用する最大のメリットは、勘や経験だけでなく、体系的なアプローチで問題に取り組めるようになることです。これにより、問題の本質を見誤るリスクを減らし、より効果的で実行可能な解決策を導き出すことが期待できます。

この記事では、日々の業務で「どうすればいい?」という疑問に直面した際に役立つ、代表的な問題解決フレームワークを5つご紹介します。それぞれのフレームワークの基本的な考え方から、具体的な使い方、そしてあなたの業務にどう応用できるかの事例まで、分かりやすく解説します。

業務で役立つ問題解決フレームワーク5選

ここでは、特に実践的で使いやすい5つのフレームワークを取り上げます。

  1. ロジックツリー
  2. 特性要因図(フィッシュボーン図)
  3. なぜなぜ分析
  4. SWOT分析
  5. PDCAサイクル

それぞれのフレームワークについて、詳しく見ていきましょう。

1. ロジックツリー:問題を分解し、解決策の糸口を見つける

ロジックツリーは、問題を要素に分解したり、原因や解決策をツリー状に掘り下げていくフレームワークです。複雑な問題を整理し、全体像を把握したり、解決策を網羅的に洗い出したりするのに役立ちます。

2. 特性要因図(フィッシュボーン図):問題の根本原因を探る

特性要因図は、ある問題(結果)に対して、どのような要因(特性)が影響しているかを整理し、魚の骨のような形にまとめる図です。問題の根本原因を特定するのに役立ちます。別名、魚の骨の形に似ていることから「フィッシュボーン図」とも呼ばれます。

3. なぜなぜ分析:根本原因を徹底的に深掘りする

なぜなぜ分析は、発生した問題に対して「なぜ?」を繰り返し問うことで、その原因をさらに深掘りしていく手法です。表層的な原因ではなく、真の根本原因にたどり着くことを目的とします。

4. SWOT分析:現状を客観的に分析し、戦略の方向性を見出す

SWOT分析は、自社の置かれている状況をStrength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)の4つの要素に分類して分析するフレームワークです。特に、新しい事業やプロジェクトの戦略立案、既存事業の改善の方向性を検討する際に役立ちます。

5. PDCAサイクル:計画実行・継続的改善を回す

PDCAサイクルは、Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Act(改善)の4つのステップを繰り返すことで、業務プロセスや問題解決策を継続的に改善していくためのフレームワークです。特に、一度決めた解決策を実行し、その効果を検証しながらより良くしていく段階で力を発揮します。

フレームワークの使い分けと組み合わせ

ここまで5つのフレームワークを見てきましたが、それぞれ得意な場面が異なります。

日々の業務で「どうすればいい?」と迷ったら、まずは目の前の状況が問題解決プロセスのどの段階にあるかを考えてみましょう。

  1. 問題が漠然としている、どこから手を付けていいか分からない:
    • → ロジックツリーで問題を分解し、構成要素を洗い出す。
  2. 問題の原因が分からない、複数の要因がありそう:
    • → 特性要因図で考えられる要因を整理する。
    • → なぜなぜ分析で特定した原因を深掘りし、根本原因を探る。
  3. 新規事業の可能性を探る、既存事業の課題と改善方向を検討する:
    • → SWOT分析で現状の強み・弱み・機会・脅威を整理し、戦略の方向性を検討する。
  4. 決めた解決策を実行し、効果を確認しながら改善したい:
    • → PDCAサイクルで計画、実行、評価、改善を回す。

また、これらのフレームワークは単独で使うだけでなく、組み合わせて使うことでより効果を発揮します。例えば、

このように、問題の種類や解決したい目的に応じてフレームワークを選んだり、複数のフレームワークを組み合わせたりすることで、「どうすればいい?」に対するより具体的で効果的な答えを見つけることができるでしょう。

フレームワークを効果的に活用するための心構え

フレームワークはあくまで「思考のツール」です。ツールを使いこなすためには、いくつかの心構えが必要です。

まとめ:今日から始める問題解決の第一歩

日々の業務で「どうすればいい?」と立ち止まってしまう時、今回ご紹介した5つの問題解決フレームワークは、あなたの思考を整理し、具体的な一歩を踏み出すための強力な味方となります。

これらのフレームワークは、複雑な問題も構造的に捉え、論理的なアプローチで解決へと導いてくれます。そして、その過程で得られる論理的思考力や分析力は、あなたのビジネスパーソンとしての市場価値を高めることにも繋がります。

まずは、あなたの目の前にある小さな「どうすればいい?」に対して、どれか一つのフレームワークを試してみてください。例えば、最近起きた小さなトラブルの原因究明になぜなぜ分析を使ってみる、自分の担当業務の課題をSWOT分析で整理してみる、といったことから始められます。

フレームワークは、使わなければただの知識です。ぜひ、今日から実践を始めてみてください。そして、繰り返し使う中で、あなた自身の問題解決スキルを磨き、業務における様々な課題を乗り越えていきましょう。